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FAIRの技術的な要件とSemantic Webとの対応関係

FAIRのぎじゅつてきなようけんとSEMANTICWEBとのたいおうかんけい

以下にFAIR 原則の一部を抜粋して解説する.その他の項目についてはNBDCのサイトを参照されたい(https://biosciencedbc.jp/about-us/report/fair-principle/). F1. グローバルかつ一意なID の付与:ウェブページを表すURL は世界中に1つずつしか存在できないことを用い,RDF ではページだけでなくすべ てのモノや概念を指し示すID にまでURL(正確にはURL をID に拡張したURI をさらに国際化したIRI)を採用することで,どこからでも一意に参 照できるようにしている. A1. 標準通信プロトコールによるID からのデータ取得:WWWと同じHTTP プロトコールを用いるSPARQL は,インターネットから直接データ を自由に検索できるデータベースを実現した点で画期的である. I1. 広く適用可能な記述言語による知識表現:RDF はあらゆる情報を「主語・述語・目的語」の3 つ組(トリプル)の組合わせで表現するため,ど のようなデータであっても共通の形式で格納でき,同じID をもつ情報はグラフ内で自然に統合される. I2. FAIR 原則に従う語彙の使用:RDF では概念や関係を分類・共通化する標準規格としてオントロジーを採用することで,データの意味の把握と 統合利用を容易にしている. R1. 再利用性(FAIR に明確に対応する条項はないが)標準形式のRDF で構築されたデータを標準技術のSPARQL エンドポイントから,オントロ ジーやメタデータとともに公開することで再利用性が担保される.(実験医学2025年1月号より)

大規模かつマルチモーダルなライフサイエンスのデータ統合技術実験医学2025年1月号

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです